GOLDEN AGE ~追跡屋TAG~

自作の連載小説をあげていきます。

第0章 前日譚:ある追跡屋のモノクロームな日常

後編

狭く曲がりくねった道を、トラックとバイクが猛スピードで走り抜けていく。 コーナーを曲がる。バイクの方が小回りが利くため、徐々に距離が縮まっていく。 「こっちの方が早い! 観念しろ追跡屋ぁ!」 そうディックが叫んだ瞬間、前を行くトラックが道路横…

中編

張が向かっていた道を300メートルほど進んだところに、その家はあった。 外から見れば「家」と呼ぶのが正しい建物だが、しかし一歩中に足を踏み入れるとその表現はあまりに見当外れであった。 中では、人相の悪い男たちが4人、慌ただしく動いていた。外…

前編

そこは、太陽の光が届かない世界。 常に蛍光灯のみによって照らされるモノクロームの世界。 そんな世界の片隅、薄暗い裏路地の道端に、一人の男が壁にもたれて立っていた。 神をにらみつけてでもいるかのように、乾いた目で虚空を見つめている。 「おい張」 …